「君は素晴らしい」

 
本棚を整理していると、結婚前に勤めていた会社の記念誌が目に留まりました。
大切な物がこの中にあったような気がして、パラパラっとめくると、社内旅行の写真が落ちてきました。
この写真の裏には、たどたどしい筆跡で「君は国籍を問わないから。目に見えないものを大切にするから。」と、書かれていました。
走馬灯のように思い出します。
その当時としては珍しい留学生?異国の方が システム(端末機)の改善の為とかで…三ヶ月間職場に入ってきました。
もっぱら私の楽しみは、職場の目の前の 『 アルプス 』 で同僚たちと生卵の乗ったスパゲティを食べることでした。
その日もその場所でその留学生と話しをしながら 昼の休憩に入る同僚を待っていました。
母国を愛しているなら、尋ねなくても 国の事をいずれ話してくれると思っていました。そして、
これまでどんな仕事に携わってきたかということよりも、この日本をどう感じてくれたのか、あなたは何に感動をしているのか、その逆にどのような事を悲しく思うのか……..
あなたの今の気持ちを知りたくて ただただ ゆっくり出てくる日本語を楽しく待っていました。
話の内容は、ひたすら日本の食べ物について…….だったような気がします。
重厚な扉から出て来る皆の姿が目に入り「あっ、みんな来るよ!」っと、私が言ったその後に 彼が 
「君は素晴らしい。」と言いました。
「何故?」と不思議に思って尋ねました。
その後、同僚がドカドカ~ッと入って来て、そのお返事を聞かないまま 彼は母国へ帰りました。
でもとっくにお返事は返っていたのですね。
今まで気が付かなかったけれど、今、手元にあるセピア色の写真の裏に・・・
「君は国籍を問わないから。目に見えないものを大切にするから。」と。 
空間と時間を越えて 今 「君は素晴らしい」 の言葉がよみがえり ぽっとなりました。
その後にも先にも「君は素晴らしい」なんて言ってくれた人はおりません。
その当時 その言葉をもっと大切に受け止めていれば もっと自分に自身が持てたでしょうか?
当時、無心にスパゲティを頬張っていた私は、周りの気配りも気が付かない無頓着なところがありました。
現金を素早く数える事を覚え、何時も借方貸方ぴったり合う事を覚え、とっても息苦しい毎日でした。
その後、結婚後のパートを含め8年も銀行業務に携わる事ができたのは、目の前にいらっしゃるお客様の懸命なナリワイが見えたからです。
金策に走り奔走する必死の様子が感じられた時。家族の話をする穏やかさを感じた時。
様々な顔は、一見すれば皆同じ顔ですが、私には確かな数字よりも不安定な人の心の内の方が大切でした。
出来の悪い銀行員だったでしょうね。
もう一度写真を見て、ぽっとなりました。
懐かしい感情に浸っていると、そうそう♪ 
ひと昔前にも その写真のメッセージを見つけて感動したような?!
私のこの青春は、ふた昔前?の事。
 
  
クローバー
 
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草抜き

 
草抜きをしました。
東側の窓から裏通りを眺めては、中庭の頑固に生い茂った雑草が気になっていました。
長いものは私の背丈ほど、主には腰丈ほどありました。
それ程力を入れなくても 面白い位 ボコボコ ボコボコ 抜けました。
草取りをしているつもりでしたが、どうやら これは大雑把な草抜きです。
昼も忘れて 4時間草抜きを取り組みました。
頑固そうな草を抜いていくと その下には小さな雑草が顔を出しました。
私の納得の範囲ではありません。年内に、もう一度草取りが必要のようです。
この草抜きで 平面になった庭をしばらく見つめて
・・・何度も眺めて ・・・ようやく堪忍して
「 綺麗になった 」と 満足することにしました。
さあ 次の事業にまいりましょう。
既に準備は1ヶ月前から着々?と はじまっております。 
「 雑草のように強く元気に…… クローバー