ある日曜日・・・

日頃、どんなに頑張っても、それ以上を求められる。
「あんたの常識は世の非常識だと以前から承知していたが・・・最近特におかしいよ。」から はじまり、
「前日の味噌汁は美味くないよ。カーテンは昨年秋から破れたままじゃ。」
「金毘羅では、デジカメを片手に一人勝手な行動を取るし。夜中、シャッター音がうるさいと思ったら鍋を撮っているし。」
「まっ、子供らに母さんは何にもせん人だったと将来言われるよ!随分気が緩んでいるね。」
と 夫に 今年になりそれらの事をねちねち言われている。
あ~爆発しそう! 私の何処が?と自問自答する。


「どっちのことよ。その言葉そのまんまお返しします。じゃわね!」
と 長女が 今朝は私の肩を持ってくれた。長女には反撃しない夫・・・
「布団を上げなさい!」
と言う私の注意に、次男はふてぶてしい態度で
「それはあんたの仕事じゃろ。」
だと!
あ~ぁ 私、爆発してしまった!
「まあ~父親の真似をして・・・生意気なことゆって~!もう、うちの子じゃないわね。外で着替えなさい。」
と言いながら、足元にあった次男の制服を外に放り出そうとした。
「そん中にアタシのもある~ぅ。」
と 次女が血相を変えて、私が抱えているものを引っ張った。
開いた窓から冷気が入ると共に、夫の「ハン!」の声が耳に入ってきた。ちょっとにんまりして一部始終を楽しんでいる。
あ~またもや爆発しそう!


確かに、朝食時、味噌汁が間に合わなくなることが多くなった。東の窓のカーテンはパリパリに裂けている。
子供たちの給食エプロンのゴムは緩くなった。体操服のネームが取れかかっている。昨夜の長男の無断外泊を私は責めなかった。
玄関の靴が飛び跳ねていても平気になった。毎朝、慌てふためく学校準備や、忘れ物を見て見ぬフリをするようになった。
うかうかしていたら、青色申告日はすぐやってくる。夫の事業の帳簿を締めなくっちゃ!
えーっと etc・・・・・
それがどうしたって言うんじゃ!  あ~爆発しそう!


息が詰まりそうになりながらも 気を取り直し出掛ける準備をした。
投票を済ませ、中学校の参観日に行ってきた。緑に囲まれた素敵な場所にある。
まず次女の教室へ行った。
足をおもいっきり広げ、ノートの上の消しゴムのカスをフッと飛ばす娘の後姿は、まるでセイラー服を着た男の子だった。
次に次男の教室へ行った。
私と目が合うや否や素早く背中を向け、斜めに黒板を見る姿勢になった。「なんでや~!」の声が聞こえずとも感じられる様子だった。
あ~あ、情けない!あの態度はなんだ! と思いながら帰宅した。


夫は早々とテーブルに向かい昼食を待っていた。
「昼は子供達と食べよね。まだ時間があるからお義母さんの処へ行ってくるね。」
と 夫の後姿に言い残して散歩に出掛けることにした。
夫が「茶!」と言う前に・・・
慌てて出たものだからカイロの箱を袋に入れる間が無かった。だけど、デジカメはしっかり首に提げている。
天気に誘われて、使い捨てカイロを一箱抱え義父母の家へ向かった。


真昼間の散歩は、性に合わないのかな? あれもしなきゃ。これもしなきゃ。と沢山の家事がグルグル思い出された。
季節の移り変わりを惜しみながら悠々自適に日々を過ごせる身ではありませんわね。あぁ~。
ふら~っと法泉寺や奥の院の女の乙神社へ立ち寄った。
南北に抜けた細い道路を中心に昔ながらの民家が密集している。女の乙山の入り口は、その道路沿いにひっそりとある。
何事も無関心になりつつある私の目にド~ンと留まった。市の天然記念物の椋の木だ。
雑草が生え殺風景な階段の横に丸裸で立っている。人伝えに聞いてはいたけれど、日頃その存在を見過ごしていた。
目の前の不思議な物体にわぁーと見入ってしまった。嘗ては幾重にも分かれて空に映えていたであろう枝が私を見下ろしている。
分厚い樹皮と太い幹。その黒い物体に強靭な生き様を感じた。
箱を安定したところに置きながらデジカメを幾度も手にした。


使い捨てカイロを一箱抱え義父母の家に着いた。
母は三日前の父の入院騒動から睡眠不足も重なり風邪を引いていた。まだまだ苦しそうだった。
何度も地べたに置きすっかり冷え切った箱で申し訳ないなと思いながらカイロを手渡した。
「カイロを一箱抱えて、この寒空 散歩したんかね~。」
と クスクス笑って母は喜んでくれた。 母の笑顔を久しぶりに見た。


私は気分を取り直し帰宅した。
すると次男は熱があるらしく布団の中だった。学校から帰るや否や布団を自分で敷き、パジャマに着替えスグサマ寝入ったらしい。
元気な口は香ばしいけれど、寝込んだ口元からはあったかい息がもれている。体調がすぐれない参観日はきつかったでしょうに・・・


「飯はまだか!まだか!」
と何度も催促した夫に誘われて、夕飯の準備を整え銭湯へ行ってきた。
午後6時だというのに、湯船にはおばあちゃんが二人居ただけだった。
熱い湯にゆったりと身体を沈める。
今日のあれこれを考える。
まぁ~明日ももっともっとがんばらなきゃね!
まず、味噌汁を朝食に間に合わせなくっちゃ!

(2007/1/23追記)

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