「 アルプス 」

5月中旬から新しい職場に変わり、毎日のようにこのアーケードを自転車で通り抜けています。

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登り道商店街
登り道
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昔の名残りがちらほら見え隠れし、私の20代の思い出が次々と流れてくる場所です。

「 あー懐かしい! スパを食べに来よう♪ あの頃の友人を誘って是非来よう♪」

この通りの一角に、アルプスがあります。

木枠にはめ込まれた鉄製の盛り皿は、じゅじゅじゅじゅじゅっ と うなっています。

その中に、なま玉子ののったスパゲティが盛られてあります。

食べ終わる頃、ガラスの器にキュンと詰まったコーヒーゼリーが出てきます。

その上には、ちょこんと生クリームがのっかっていました。

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アルプス
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7月1日、そのスパゲティが消えました。 アルプスが閉店したのです。

あー残念!閉店したばかりなんて。。。

思い立ったら 即、実行ですね。

今は、全てが急速に変わっているのかもしれません。

今日は、半開きのシャッターの前に立ち、昔を懐かしみ少しセンチになりました。

木枠の窓の向こうに職場の友と私、そして、その時々に出会った大切な人達が座っていたのです。

昼休みの外出許可を得るのは、ままならなかったでしょうに・・・

よくまぁ~連日通いつめたものです。

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昨夜、息子からアルプスのスパを食べたことがあると聞きました。

息子(中学生の次男)は、昨年の夏休みに部活仲間とこの場所に座ったのだそうです。

「おばちゃん、元気だったぁ?」

髪を後ろにひっつめて ちいさい団子にまとめている お店のおばちゃんの話になりました。

『ハリーポッター(ホグワーツ校)のマクゴナガル先生みたいな感じのおばちゃんのこと?』

と 息子は言いました。

「そうそう、そんな感じ。一見、理性的で厳格な感じよね♪」

私が若い時もおばちゃんだったのに、今も昔も、変わりなくおばちゃん・・・

20数年経ってもお元気なのだわ・・・。

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アルプス
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最近無性に、アルプスのスパを求めています。

このスパを食べたからと言って、何か変わる 何か生まれる と いうのではないけれど・・・

私の大切な数々の思い出は、じゅじゅじゅっ と 熱いスパの中にあります。

その上にプルンとのったなま玉子が、私だったのかもしれません。

とっても狭い処で暖められていたのですね。

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