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すばらしく晴れ渡った日曜日。
美容室の帰り道、イオンへ立ち寄った。
駐車場は、超~大型 中古車センターかと思うほど 綺麗な車が見事に並んでいる。
その隅に、業者のトラックがとまっていた。荷台には工具が揃えてあった。大きい職人の姿が見えた。
聞いていた通り、イオンモールの自転車屋さん前で、夫が仕事をしていた。
こういう日は、家族でドライブだよね!って愚痴をこぼしたことがある。
十数年前の子育て真っ最中の頃を思い出しながら、ジュースを差し入れた。
自転車屋の店先には、沢山の自転車が並んでいる。
今日は子供連れのお客さまが多く、自転車に触れながら、あれこれ見入っている。
何をしているのかな?と、子供がこちらの方にもちらっとのぞきに来る。
「 ねぇ、今日の仕事は目立ってるね。」
と、私。
『 あー 』
と、夫。
今回の工事は2~3日前から取り組んでいる。今日は納期だ。
「 この門扉の取り付けは、自転車の出し入れ作業を省くために依頼したのかな?」
『 ・・・・。』
「 自転車屋さんは、毎朝、毎晩何時間掛けて この沢山の自転車の出し入れをしてきたんでしょうね?」
『 ・・・・。』
「 この自転車の数だと 朝に晩にその度1時間は有に掛かるね。」
『 そうじゃのう。』
「 自転車屋さんのお仕事、これからは自転車の組み立てと・・・お客さまを待つだけになったねぇ。」
『 ・・・・。』
「 今日は乾くの速いね!何を入れよん?ねぇ?」
『 塗ったところは触るなよ。カサカサになる。』
「 ホントじゃね。その手早さでも 間に合いそうもないね。ねぇ?何入れたん?」
『 うん。あんたと付き合っとると カサカサ を通りすぎて ガサガサ になってくる。』
「 下手すりゃ “ カ ” から “ ガ ” になるのに何故入れたの?」
『 うるさいのぉー。薬じゃ!金具を速く固定する為じゃ。すぐあとに、門扉を組み立てるんじゃ。』
「 ふ~~ん。 」
職人の汗が地面にポトッと落ちている。作業の音だけが聞こえる。
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しばらくして・・・・
『 よし!終わった!帰るぞ。』
「 終わったん?」
「 お父さん、これ運ぶ?」
「 お父さん、これ重い?」
大きい職人とちっぽけな私が駐車場を何度か往復して工具を片付けた。
我が家の無口な職人さんは、今日はとっても優しかった。
『 晩飯は?』
「 茶碗蒸しよ~。」
私は、良い日曜日だと思った。
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夕飯拵えの時・・・ひとつの玉子から、ちっちゃい黄身がほら、二つ!
我が家の双子っちもこんな風におちびちゃんだったね。
私は、こんなちっちゃい子どもたちにテンテコマイで・・・戸惑うことが多くって・・・懐かしいわね。
今、黄身の双子を見つけて 何故かわくわく。
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