
我が家で、最近ひそかに流行していることがある。
「腕相撲をしよう。」
と、今夜も中学3年の次男が言ってきた。彼は、私にしか挑まない。
春は、余裕で私が勝った。
数日前、次男と少し張り合ったが、やはり私が勝った。
20歳の長男は、毎夜筋トレをしているので、ずっしりと重い腕をしている。
「お兄ちゃんの腕、結構すごいよね!」
と、妹達のひと言で調子づく長男は、毎回、公平な審判員となる。
さて今夜は・・・・・
夕食後、座敷で寝転がって向かい合った。
「レディーゴー!」
長男の掛け声で、はじまった。
次男、なかなか強くなっている。ムム、結構本気になった!
なんとか、私が勝った。
「もう1回。」 また 「もう一勝負!」
と、次男の申し入れで繰り返すけれど勝負は同じ。
「いかん。鍛え直してくる。」
と言って、次男は2階に上がってしまった。
その後、私も、私も・・・という事になって、娘達も私も楽しんだ。
あ~だ、こうだって言いながらバッタンバッタン始まった。
「あら~。うお~。」
私は、娘達より強い。長女と次女の勝敗はいろいろで、甲乙つけ難い。
こういった、みょうちきりんなものに夢中になる家族ってあるかしら?
尚も続く、
「う・・・・・・。」
「なんでぇ~?」
「肘の突く場所がこうで、身体が斜めだから・・・。」
「あっ?あっ、あーやられた~。だめかあ~。」
誰に向って言うわけでもなく叫びあって、つぶやいて・・・全員が無口になる時もある。
勝敗を気にしながらも不思議な連帯感が漂っている。
「こんなん、みんなで真剣にするかあ~~??」
と、長男は呆れながらも面白がっている。
私も、「まぁ~」って呆れるけど、
一緒に楽器を演奏をするなんていう高尚な家族でも無いし、みんなが一緒の家族旅行なんか、ついぞない。
これが共有の楽しみだなんて、「なんて小市民・・・」って思う。
散々の腕相撲の末
「よっしゃ!母さんやろ。」
と、退散したはずの次男が2階から降りてきた。
「あっははは、たった数分で鍛えれるわけないやん?!」
と、クスクス顔を見合わせる姉と妹にからかわれている。
私、危機。
・・・・・・・・・
次男に、まんまとしてやられた。
「やったぁ~~~!やったぁ~~~!母さんに勝った!!」
次男は、初勝利に超~、ご機嫌うるわしい!
ずるいぞ~! 持久力の無い母に勝ってなにが嬉しい! 息子の気が知れない。
「こんなことに燃えるのに、どうして英単語が覚えられないのかねぇ・・・。」
そんなこんなの時、父親は焼酎を飲みきって、リビングでうたた寝をしていた。
私はその後、兄妹の口喧嘩を聞きながら、台所の後片付けをし、周りが静かになったと思ったら、子供たちはそれぞれの部屋。
まっ! だいたい、こんな日を過ごしている。




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