今朝の5時頃、夫の実家からの帰り道、ヒグラシの鳴声がわずかに聞こえてきました。
この猛暑の中で、秋が始まっているなんて実感していなかったけれど・・・秋の足音が、ず~っと遠くから聞こえてくるようでした。
法泉寺前を通り畦道を抜けて自転車で5分ほどの道のりを帰りました。
「 来た道、行く道、通る道 」
と、つぶやきながら・・・。
義父は16年間、多発性脳梗塞を患い、肺炎を起こすたび何度も入退院を繰り返してきました。
2年前から直腸に繋いだ管から栄養を摂っています。
義母は3人の男児がいることを承知で、奉仕精神で父のもとにお嫁に来て30年が経ちました。
母は、父のおへそから出ている管から決まった時間に、水分・おやつ・三食と栄養補給をしています。
そして、父のゴロゴロという胸の音を聞き、痰を吸引してきました。
その吸引は、父の体調により、一時間毎という日もあるそうです。
可愛く目覚ましい成長を見せる乳幼児の子育てと違って、介護は、か弱く衰えていくのが目に入ります。
母の献身的な労力はどこから湧いてくるのでしょうね。
母は高血圧に悩まされていて、血圧を計りながらヘルパーさんの協力を要請しています。
施設に繋がらない時は、私のもとへ電話をしてきます。
母が安定剤を飲んでも治まらない時と、父の大量のウン○が出た時は、私は髪を梳く暇も無くスッピンで、即、直行です。
お彼岸の父の合掌を思い出します。
母の願いどおり、お墓の掃除を済ませたことをベッドの上に寝ている父に知らせると、私に手を合わせてくれました。
合掌っと・・・
その合掌、私に? もったいない!
母がそばに来ると、父はその手を直ぐ崩しました。
この合掌は、いつもいつも母に向けられているのだわ!と、感じました。感激しました。
素直に表現出来ない父の姿と、夫がダブりました。体型は違ってもその他何から何までそっくりなんです。
これから通る長いながぁ~い道、夫と老いて行く道を共に過ごす自信なんてないけれど、
悲しい時腹の立つ時、父の合掌を思いだそうって思ったのでした。