中秋の名月9/14、義父は78年の人生を終えました。
静かに眠る父のもとから、古い民家の並ぶ山端を通り、自転車で帰ってきました。
窓から漏れる家々の灯りが、前を行く夫の背中を照らします。 その背中はいつになく小さく丸く感じられました。
畦道に出ると、涼しい夜空に、丸いお月様が冴え渡っていました。
満月は次の日でしたが、私にはどこからどう眺めてもその月が真ん丸く見えました。
丸く静かな月夜でした。
次の日は、あいにくの雨を恵みの雨だと言いながら、真ん丸い月を思いながらの通夜ぶるまい・・・
父の生前のはなしがドンドン飛び交い賑やかな夜でした。線香の火をたやすことなく伽をしました。
さらに翌日、晴天となりました。
わからないことだらけの葬儀もわからないなりに執り行われ、 盛り沢山な思い出と共に 故人の旅立つ儀式が無事終わりました。
その帰り道、満ち満ちた月を観ました。
いずれも月夜の親族大集合!
夫は、しばらく、心に…体に….力が入らなかったようです。
それでも、することはして、生活していかなければならない夫の気持ちを察します。
お逮夜の法要を済ませ帰る道々、夫の背中は、大きく丸くなりました。
宇宙の織り成す時間からすれば、夫の涙した時はとっても短い・・・。
私の知りえる時間からすれば宇宙規模は永遠・・・。まるで親の愛のように。
親の愛は永遠です。
お母さんの愛に守られていましたね。お父さんの愛に包まれていましたね。
それにやっと気付きました。
幸せは、結構身近にあるものです。
来年の中秋も親族大集合! 父の好きな日本酒を呑みながら楽しいお月見となりますように。
冷え込みますね。皆さま風など引かれませんように。
暖かく安心して眠れるところがあることを感謝しつつ・・・おやすみなさい。
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