毎度晩ご飯の用意をはじめると次女がすぐ隣にやってくる。肩を並べて台所に立つ。
嬉しいぃ~~~。彼女のお陰でひと踏ん張りできる。
晩ご飯の片づけが終わって、
『あーーー、お風呂に入って直ぐ寝よぉ~』
と、私は、もう寝ることばかりを考えている。
なのに・・・
「母さん、りんごちょうだい。」
「カァサン、このスパッツ。穴が空いた。」
「カネ!明日、教科書買いに行く。」
「母さん、明日弁当いるよ。」
「おい!爪楊枝。」
あー、廊下を歩いていても、玄関の靴を揃えていても、お手洗いに入っていても、何処にいても、
おい!母さん!かあさん!カァサン!と、家族の呼ぶ声。
『この先輩をリスペクトしない感じが世界一獲ったんですよ。』
と、ゆったりお風呂に浸かりながらつぶやく。
私、リスペクトされてな~い。
我が家も世界一??? え?私はイチローかっ!つーの!
お風呂上り、ぼんやり脱衣所の壁に寄り掛かって立つ。
ぼんやりした時間、昔のことを思い出す。(笑・・また涙の素になるね。)
「かあか 赤ちゃん なきゆるよ。」
と、3つの単語を並べて話す2歳の次女が私を呼ぶ。
双子の兄を赤ちゃんだと思っている。自分はお姉ちゃんだから聞きわけよくしなくっちゃ。と思っているらしい。
私は、その彼女に多いに助けられた。
『赤ちゃんは、相棒なんだよ。』
と、伝えたのは3歳になり保育園に通いだしてからだった。
そんなことを思い出していると・・・
「あっ!母さんココにオッタン。眉の手入れしよん?」
と、現在16歳の次女がやって来た。
『違う。違うよ。隠れとんよ。目の前の鏡を見る気もしないのに、そんな余力無いわね。』
「この家には、母さんの隠れる場所が無いねぇ。」
彼女は、周りを良く観ている。決して飾ったところが無く、ざっくばらんで、あっさりしていてそれでいて暖かい。
最近は話の節々にお笑いの流行りの言葉を混ぜて、クスクス笑わせてくれる。
「○○みぃたっいっなぁ。○○テキぃなぁ。」こんのかい?
「ちっさぃことは、気にするな。わかちこ、わかちこ~….」ゆってぃかい?
雨が降った日、彼女は90リットルの大袋に三つの穴を開けて身体に被せて帰ってきた。
その姿を見て唖然とする家族に
「みなさん。春日のココ空いていますよ。エヘ。」
彼女がつぶやく一言は、とにかく面白い。
それぞれが家を出る日がいつか来る。
子供たち4人それぞれにそれぞれの持ち味がある。精一杯頑張って自分の長所で勝負してよ。そのほうが、納まりが良いってものよ。
最近、疲れた姿を見せてごめんね。
幾つになっても、母さんの前では わがままで居ていいんだよ。