霧の中にたたずむ山の美しさにハッとさせられます。
緑がきれいです。
雨の中、そよぐ風、なびく苗。。。
なかなか他に見ることのない 静かでつややかな地です。
ここに育ってよかったと思います。
この地に立ち、父や母、祖父や祖母、そして、この風土にも感謝する気持ちがわき上がってきました。
この地は、2004年夏、台風襲来により大きな被害を受けました。
斜面災害や土石流災害でした。
採石場の土が流れ込み、実家はもちろんのこと、この辺一体はドロの地となりました。
二度の被災で呆然と立ち竦む父を 母は果敢にも触発し、誘導し、
「私達の家は、自分達の力で!!!」
と、実家の床下のドロ除き作業を二人で頑張りとおしました。それも一週間で!!
食べ物や飲み水が不十分な中、70歳を越す身体には堪える作業だったことでしょう。
その後、二人の作業は続き、泥を振るいに掛けて玉砂利の庭を蘇らせるまで3ヶ月を要しました。
父と母は、いつに変わらぬ陽気さ呑気さを保っていました。不幸に襲われたことをいつまでも嘆いて時間を無駄にしませんでした。
どんな環境にあろうと 生きる術を見出すその姿から、ひたむきに生きようとする母の強さを感じました。
自分をこの世に産んでくれ、大きな愛で包んでくれる私の母は、強くて美しいとあらためて思いました。
親から子へ受け継がれてゆくもの・・・。それは、家屋や宝飾ばかりではありませんね。
母の未来を切り拓く力とでも言うのでしょうか?その活力を家族に伝えていけたらと思います。
自分より才能がある母に 全てにおいて敵いませんが、
私の中にも、ひたむきな部分があるはず と、信じて・・・。