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息子の採用内定を知った昨日の夕飯時のことです。
お膳を前に、息子がコップに麦茶を注ごうとしていました。
夫は、その手を遮り、そのコップに ほんの少しビールを注ぎ、「飲め!」と顎で示しました。
息子の左手には、今、数センチ注がれたビール・・・
「おまえ、乾杯は右手ぞ!」
と注意を受けながら、右手に持ち換える息子です。
コップの合わさる音がリビングに響きました。
私は、父親と息子の初めての乾杯を見ました。
私の目頭は濡れていました。
ちょっとぎこちない乾杯でしたが、高校生の息子が父親に認められた瞬間でした。
思い出します。
小学校高学年まで添い寝をしなければ寝付けなかった息子の左手は、ふわ~っと いつも優しく私の髪に触れていました。
「おまえ、それでも男か?アマチャンじゃのう。」
と、その度父親の渇が飛んできました。
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最近、どうも涙腺が緩くて・・・。どなたにもこの顔は見せられないわ。
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今夜は家族が揃ったので『どんどこ』で祝宴をしました。
今回は泣かなかったよ。
甘露。甘露。
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