娘は、ず~っと以前から松ケンファンです。(「DEATH NOTE」のエルを演じた頃から)
「世間はついに松ケンの魅力に気づいたか!」
などと、叫んでいます。
その娘と『ノルウェイの森』を観に行きました。
松山ケンイチさんは驚くほどワタナベ君でした。
いよいよ終盤、雑踏の中、ワタナベ君が電話で緑に告げます。
「世界中に君以外に求めるものは何もない」
この言葉が唯一です。
そこに至るまでの
決して癒されることのない、悲しみを抱えた若者たちの姿が痛々しかったです。
精神疾患の兆候がみられる直子の言葉 、
「人は19歳と18歳を行ったり来たり・・・」
が印象的でした。
帰る道々お互い感想を述べ合いました。
娘は、
「心身共に「?」の世界じゃ。」
と。
「私の娘は心身共に健康で良かった。」
と、ほっ。o〇 胸を撫で下ろすのでした。
新婚当初、ノルウェイの森を読みましたが、村上春樹のいわんとするところがよくわかりませんでした。
印象がよくない本でした。
作者は思いつきを綴り合わせたにすぎないと思ったし、
男女ふたりの意識がいくらずれていようと一向に構わない無頓着さが許せなかったし、
世の男の身勝手さを象徴しているかのような作品であると、憤りさえ感じたことを思い出しました。
ですが、
映画化されて鑑賞することにより、新たな読み方ができるような気がしました。
今あらためて、ああ・・・こういう事だったのかって感じることができました。
1度目から2度目、2度目から3度目と、読むほどに印象が変わっていく本なのかもしれません。
「ワタナベ君は優しいね。」
の娘の言葉で気がつきました。
著者と一体に感じるワタナベ君は、身勝手じゃなかったようです。
どうやら女性の方が我がままなの?と・・・。
人間って私が思う以上に本来複雑なのかもね。
私も許容範囲が広くなったのかしら?成長したのかしら?
いや、わたしの頭は男なのかもしれません。