ココは、レトロな佇まい。
有るところの 有る空間が 殺風景。
そこで
チクチク チクチク 台の前に正座して、運針縫い。
両手を動かさないと糸目が流れたり、それたりする。
物を作りだす大切な時間。
そこへ、退寮したY女史が遊びにやってきた。
「まるさん、針に糸を通しながら正座ですかー。それも手縫いで 昭和だねー。」と。
まーありがとう。古式ゆかしき姿と言ってちょうだい。昭和を知っとるの?
「知っとるよ。母ちゃんも昭和生まれよ。」
私は、もう これが無いと たちまち足がしびれてしまうわ。

「はっはっはー♬鍛え方が足りんね。」
そうじゃね。これじゃ、昭和の生まれよ!とか自慢できんね。
後で 届けるね♬

はい!出来ました。

はい!もうひとつ出来ました。

ペーパーホルダーカバーです。
❤
私の仕事は、清掃作業からはじまり、夕刻は保育支援を行い、終業間際に入所者及び退寮者の支援記録を作成している。
◎入所者の声や暮らしの現実には様々な課題があり、会話のなかで その方のお困り感に気付くことが大切。
◎利用者と会話が弾むようになったが、支援者として あれもしてあげよう これもしてあげようと身勝手な発信は、利用者の支援にならない。
◎相手からの求めに応じて自然と引き出されるお困り感を 上司に報告し指示を仰ぐ。
と、上記3点、支援をするうえでの重要なポイントを 2か月経て上司から指導を受けたところだった。
私は、入所者の積極的なトイレ清掃を促すために 各自が使用するトイレに ペーパーホルダーカバーを付けることを提案した。
コロナ禍なので不衛生では無いか?と言う意見も出たが、それを超えたメリットが有るかもしれないと上司が判断してくださった。
私は、ようやくこの場所に馴染んできた。
ところが、以前からささやかれていたが、
今期でこの施設の閉鎖が決まった。
施設の老朽化が一番の問題で、市民によって選ばれた議員と学識の高い方々が、さまざまな角度から散々協議し、ほかに選択肢はないのかと手を尽くした結果だったと言う。
市長は、安心して過ごせる社会を目指し福祉に一層 力を入れると宣言していた。
それを実現する為に、職員の人件費削減をはじめとした歳出の見直し、多くの市民に納得してもらえるお金の使い方を考慮した決断だったと言う。
今後、一人親家庭の危機案件が発生すると、ホテルを利用した支援を行うと言う案が出ている。
❤