人生の支えになっている引用や、よく考える引用はありますか ?
「親子の関係は和解じゃないんだよ。ただただ感謝しかないんだよ。」
引用というのかどうか?
自分の生き様を語るにあたり外せない、何度も反芻した言葉です。
かつて、
感情に任せて怒ったり
自分の勝手で人に構ってきたり
指図したりされたりで人に無情な振る舞いをしたり
人の言葉を無視したり
油断して心を許した人の心を置いてけぼりにしたり
そんな父と母の全てを忘れようとしました。
忘れた振りをしていました。
私は両親との間に距離を置いてきました。
母の愛を求める激しい感情を隠し、自分の記憶を封印し、
過去に素直になれない私は気丈にも許せない感情のままずっと同じ処にいたのでした。
私が二十歳の頃
「許せたらどんなに楽だろう。血縁がなければ求めなくてすむのに。苦しまなくて良いのに。弟の事ばかりを言う母に腹が立つんよ。幼少の頃を思い出しては悲しくなるんよ。」
と苦しんでいる私に呉服屋の店主が言いました。
「許す日?許される日?まるちゃん、和解をしようと思っているの? 親子の関係は和解じゃないんだよ。ただただ感謝しかないんだよ。」
その言葉を幾度も反芻しました。
苦しみの根元は、私が父と母の愛を求めているからではなく、私が感謝を忘れているからです。
そのことに気付くまで何度も考えました。
父と母は、明らかに一生懸命生きてきました。
私は、両親を憎んではいません。
あらゆる角度から自分の寂しい心を捉えるようになったのは二十歳を過ぎてからで…
両親の思いが、新しく色々と見えてくるようになったのは、
さらに子育て期の頃でした。
母から生まれ今の私があることに心から感謝できるようになり、
理屈を通り越して苦しみから開放されたのは、壮年期と言われる齢になってからでした。
私は遠回りをしました。
今という時間を大事にして心から幸せな思いを起こし、感謝をしながら生きてゆくことが、幸せになる為に大切なことなのだとつくづく思います。
.