お隣さんから 可愛い「おとみ」を頂きました。
お隣さんに差し上げた“きのこづくしご飯”が入っていた容器が手元に返ってきて、
その中に、アイデアたっぷりの千代紙に爪楊枝が3本添えられていました。
懐かしい風習です♬
「おとみ」
ん?伊予の方言かしら?
皆さま、「おとみ」って言葉をご存知ですか?
いただき物に対して有り難い気持ちを添えて返礼する品のことをいいます。
珍しいものや沢山作ったおかずを一皿お裾分けでもらったとするでしょう。
そして、その器に「おとみ」を入れて器ごとお返しをするのです。
子供の頃、
「おとみ」は、マッチの小箱、チリ紙などを添えて返すのが近所つきあいの風習でした。

昔を思い起こすと こんな感じに♬
今では、マッチの需要が少なくなりましたね。
チリ紙とも言わなくなりましたよね。
昔の風習を再現するとしたら…
こんな風に爪楊枝数本で良いのです。
このあたりでは、昔から「おとみ」を大事にしてきました。
高額なお返しの品は駄目なんですよ。
“ほんの気持ち”なんですよ。
20年前お隣さんが引っ越してこられて、数回ご挨拶を交わした頃、砂糖を切らしたので夕飯ごしらえに必要な分だけお隣さんから砂糖を分けてもらいました。
後日、感謝を込めて砂糖一袋を渡そうとして、とんでもなく叱られました。
「ありゃ~!おとみの心を知らんのかねーーー。この小皿に添える気持ちでえんじゃがねぇ。」
と。
子供の頃から見覚えておりましたが…。
その当時、私の生活に「おとみ」の意識は無くなっていたのでした。
さらにその後も、
それをスマートに行う自信がなかったり、若い人に説明することを戸惑っていましたら、いつの間にやらこの風習をすっかり忘れていました。
今回の「おとみ用折り紙」は、婦人会のお姉様達のアイデアだそうです。
おとみの習慣を若い世代にどのように継承したらよいのやら?
と、考えてのことだそうです。
「おとみ」は、伊予独自の習わしなのでしょうか?
だとすると、
尚更、慎ましく細やかな心の表し方を継承しようと励んでおられるお姉様達の思いが素敵に感じられました。
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