親離れの予感

 

双子の高校生活が終わった。
我が家の4人の子供たちは、市内の違った高校へ通った。
学校のカラーは見事に様々だった。
それぞれの学園祭や体育祭などを見て、違いを感じる度、新鮮な面持ちになった。
どちらの高校も、学校行事ではいろいろな準備に時間を取り、人と人とが擦れ合って、共感もし、反発もあったようだ。
長男がそうであったように、次男もまた、この学校生活は親の庇護の壁を飛び出していく飛躍の時期であることを私は感じていた。

土砂降りの雨の体育祭が終わって、高校3年の次男が泥んこのクタクタになって帰って来たことがあった。
悪天候なので、すべて順調に運んだとは思えなかったが、日頃無口な息子が「かあさん」と言った途端、揚々としゃべり始めた。
足に自信のある健脚息子の自己満足の話かな?と思ったら、実はそうではなく、皆で成し遂げたクラスの自慢話だった。
勝敗が決まり、皆で喜び。飛び蹴りされ、泥んこの運動場に寝転んだこと。そこへ押し乗ってくる友達。
血気盛んな高校生のこと、状況は察して余りある。
平日だったし、仕事を抜け出せなかったので、応援に行けなかった私は、嬉しく楽しく、むしろ頼もしくその話を聞いた。

どちらさまも同じ思いのはずだったが、PTAの委員会へ出向くとどうも様子が違う。
湯気が出そうなくらい怒っている保護者が居る。
他にもその日の体育祭の決行に苦情を言ってきた保護者が数人いるらしい。
先生、気になさらなくて良いから!
世の中の思い通りにはならない事柄をどのように受け止めるか習得しなくっちゃ。

ちょっと過ぎたこともいろいろとあったのかもしれない。しかし、全ては心持ちで如何様にもなる。
そりゃー、待ちかねた行事だから晴天が最良だったかもしれない。
だけど、最悪の天候の中でも、おもいっきりスプリングして、最高の思い出となった生徒もいるんだよ。

個別懇談で担任の先生から ちらっと知らされたことがある。
息子がありったけの理論武装をして、悔しさ、無念さを部活顧問の先生にぶつけたそうだ。
「ほうか。お前はそう思とんか・・・。」
と、生徒の反発を武力で抑えなかった先生の言動に感服した。
その当時、何かに怒っているな~と、家庭でも感じたことがある。
『文句言うな!』
と、父親は幾度となく渇を入れていた。

子供の無念が伝わってくる時はどうしようかな?
子供の怒りに親はどうしてやりようもなくて・・・そんな時一呼吸おいてすることは、
『お疲れさま。さっ!一杯やりましょう。こういうときは、これに限る。』
そういって冷蔵庫の缶ビールを差し出そうじゃない。
一口のビールで 息が戻ることがあるからね。
えっ?二十歳までお預け?
それじゃ、
『ほうか。そう、思とんか。』
の一言でしょう。
それとも
『文句言うな!』
の渇かな?

子供は、足にスプリングをつけたように、ぴょんぴょん跳ねる。
ぴょんぴょん跳ねているうちにもっと高く跳ねることができるようになって、
最後に大きく大きく跳ねあがって親元から遠ざかっていく。
そんなふうに子供は上手に親離れをしていく。
『さっ!一杯やりましょう。』と言えるまで、まだまだ、ぴょんぴょん跳ねていてちょうだいよ。

「どなんかったんぞ?」
と、息子の卒業式から帰ってきた私に夫は尋ねた。
「式の後、先生の撮ってくれたDVDを観たんよ。私達の子は、とっても元気だわ!」
と、子離れよりも先にやってきた親離れの予感を伝えた。

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